銀行預金では資産は守れない──インフレ時代の防衛としての資産運用
「銀行に預けておけば安心」──そう考える人は多い。
最近では、ネット銀行の普通預金金利が0.5%という高水準に達している。これは確かに、従来の0.001%と比べれば“預ける意味”があるように見える。だが、それでもなお、資産を守るには不十分である。
2023年の消費者物価指数は前年比3.2%上昇。仮に今後もインフレ率が3%前後で推移するとすれば、預金金利0.5%では実質的に毎年2.5%ずつ資産の価値が目減りしていくことになる。数字上は増えていても、買えるものが減っていく。これは、資産が“減っている”のと同じである。
たとえば、1000万円を預金していたとしても、物価が年2.5%ずつ上昇すれば、10年後にはその購買力は約776万円分にまで下がる。これは、何もしないことで資産の約22%を失うということだ。預金残高は減っていないのに、生活の選択肢は確実に狭まっていく。
資産運用とは、資産を増やすためだけのものではない。むしろ、インフレや経済変動の中で「守る」ための手段である。株式や投資信託、不動産などは、インフレに強い性質を持つ。もちろんリスクはあるが、それは「不確実性」であり、知識と分散によってコントロール可能なものだ。
投資は怖い。そう思う人は多い。だが、もっと怖いのは「何もしないこと」かもしれない。資産運用は、未来の自分を守るための知的な選択である。預金金利が高くなっても、インフレがそれ以上に進むなら、私たちは“知ること”から始める必要がある。