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投資スタイルを見極める──情報との付き合い方

株式投資を学ぶとき、多くの人がウェブサイトや書籍を頼りにするだろう。しかし、そこに書かれている情報を鵜呑みにする前に、まず確認すべきことがある。それは「どのようなスタンスで語られているか」という点だ。 スタンスとは、投資の期間や目的によって異なる視点のこと。誤解を恐れずに言えば、短期か長期か──その違いが、投資の判断基準を大きく左右する。 たとえば「ロスカット(損切り)」の重要性は、ほとんどの投資家が知っている。しかし、その徹底度はスタイルによってまるで異なる。短期売買を志すなら、ロスカットは命綱だ。損失が一定以上に膨らめば、感情を挟まず機械的に切る覚悟が必要だろう。 一方、長期投資では、ロスカットをしないという選択肢すらある。企業の成長を信じて持ち続けることが、結果的に資産形成につながる場合もあるからだ。 このように、同じ「ロスカット」という言葉でも、意味合いはスタイルによって変わる。だからこそ、情報を読むときは「これはどの投資スタイルを前提にしているのか?」を意識する必要がある。そうでなければ、長期投資の好機に慌てて売ってしまう──そんな本末転倒な行動にもつながりかねない。 すでに自分のスタイルが定まっている人は、それを軸に情報を取捨選択すればよい。まだ模索中の人は、情報の背景にあるスタンスを見極めながら、自分の投資観を育てていくことが大切だ。

下げたら買い向かう

 こんなに下げたら、もちろん買い向かうずにはいられない。買い向かうときには少額ずつが基本だ。 買った直後に上昇に転じるかもしれないし、まだずっと下げ続けるかもしれない。それでも資金が底をつかないような買い方をすべきだろう。 幸い、今は数千円とか数万円で買うことができるから、ごく少額ずつ毎日買っていくというスタンスでいこう。 と、書いてみたが、これは長期投資の話。 これだけ下げたら、短期の買いは、さっさと損切りすべきだ。先日買ったJ-REATは、もう売り払った。

予想を当てるより外れたときの対処

投資で成功する人は予想が当たるのだろうと、投資の世界に足を踏み入れる前は思っていた。経験を積めば予想が当たる確率は多少上がるのだろうが、神様ではないから未来を予想することは難しい。 人間ができることは、外れたときの対処だと思う。ちょうど詰将棋のようなものだ。こちらがこう指せば相手はこう指すかこう指すかのどちらかだろうから、こう指してきた場合にはこう退所して、こう指してきた場合にはこう対処しよう、というように、起こりうるすべてのケースに対処していけば良い。 詰将棋なら、相手の差す手はたくさんあるが、相場には上がるか下がるかの2通りしかない。上げたときにどうするのか、下げたときにどうするのか、これだけ考えておけばよいわけだ。 短期売買では、当たったときには利益確定をして、外れたときにはロスカットする。その幅をどう決めるのかが問題となってくる。デイトレードならその日のうちにポジションを閉じなければならないが、もう少し長期で取引するのなら、当たったときの対処は翌日に回しても良い。 予想が外れたときの対処のほうが、もしかすると大事かもしれない。 ロスカットをちゃんとしていないと、一回のミスでゲームオーバーになることもある。それまで積み重ねてきた利益を一度のミスで吹き飛ばしてしまうのは、そんなに珍しいことではないだろう。高いレバレッジをかけて取引していれば、そりゃ仕方ない。わざわざ高いリターンを求めるために高いリスクをテイクしているのだから。 100%当てるのは、人間には無理だろう。外したときの損失を最小限に抑えて、あたったときの利益を最大限に伸ばすのが人間にできる技術だ。外れるものだという前提で考えておけば怖くはない。

ロスカットルール

  短期売買において、初心者からプロまで、全員がしなければならないのがロスカットだ。ロスカットとは、損失を限定することを指す。 例えば、株価が1,000円のときに買ったとしよう。上げているのならそのまま持っておけばよいが、問題は下げたときだ。950円になったときに「もうそろそろ上昇に転じるだろう」などと思ってしまうものだ。更に下げると、「900円あたりが節目だろうから、もう少しすれば上がるだろう」などと考えてしまう。そうこうしてるうちに更に下げることもあって、「これだけ下げたんだから、もう下がらないだろう」などと楽観的に考えるようになる。そして大きすぎる損失を抱えて、売るに売れなくなる。「ああ、損失が小さいうちに売っておけばよかった」などと後悔しても後の祭りだ。 相場にはトレンドが発生するのだから、下げ始めたらしばらく下げることは多い。だから、少し下げた段階で、早めに売ってしまうことで、損失を小さくできる。これをロスカット、あるいは損切り(そんぎり)と言う。 ロスカットは機械的にすべきだろう。例えば損失が5%を超えれば必ずポジションをはずす、などとルールを定めておくのが良い。その水準は人によって異なるが、5%から8%と言われることが多い。私は短期売買するときには、5%に定めている。つまり、売りであれ買いであれ、損失が5%以上になればポジションをはずす。例外なく機械的にそうするのが良い。 ロスカットルール厳密に定めるのは短期売買の場合だ。株式なら信用取引をする場合や、FX、先物取引など、レバレッジをかけて取引するときには、ロスカットルールは必ず定めるべきだ。 ロスカットルールを定めて厳密に守っていれば、大損することはない。小さい損失を発生させただけなのだから、また取引はできる。経験を積むことはできる。一度の失敗で相場に立てなくなるようなことがないように、ロスカットルールは厳密に守るべきだ。 ロスカットルールを定めるというのは短期売買の場合であって、長期で保有する場合には機械的にロスカットすることはない。長期で保有する場合でも、早めに売ることはあるが、逆に安くなったところで買い増すこともある。ケースバイケースだ。短期売買に必要なことと長期投資に必要なこととは違うということは常に頭に入れておくべきだろう。

短期売買と長期投資

株、債券、為替、先物取引など、資産運用のためのものはいろいろあるが、まずどういうスタンスで運用するのかをはっきりさせなければならない。短期売買をするのと長期投資をするのとでは、取引するものは違うし、分析方法も違う。 投資するために必要な知識や技術を解説したサイトや書籍など、情報源はいろいろあるが、その情報が短期のものなのか長期のものなのか意識しながら読む必要がある。 例えば、ロスカットルールを定めることは、短期売買をするときには絶対必要なものだ。以前に日経平均の先物とオプションを取引していたときには、厳密にロスカットルールを定めていた。 しかし、長期投資に切り替えた今では、ロスカットルールを決めたことはない。含み損を抱えていても、あまり気にしない。それどころか、安くなったのだから買い増すのもよくあることだ。 短期売買で、安くなったから買おう、などと思うことはまずない。 短期売買と長期投資とでは必要なことが異なる。情報を集める前に、このことをまず知っておくべきだろう。