相場と自転車
相場で生きるのと自転車に乗るのは似ていると以前に言われたことがある。
自転車には車輪が2つしかないのに倒れない。その理由は、確か高校の物理で習ったように思う。前輪のフォークが斜めになっていることで、倒れそうになってももとに戻す力が働く。
右に傾いたときには、ハンドルには右回転に力が働くから、それに逆らわなければ倒れないようにできてる。だから、傾いた方向にハンドルを切ることができれば良い。
などと理論的なことを学ぶのは、たいていは自転車に乗れるようになってからだ。「傾いた方向にハンドルを切れば良い」と教わってからじてんしゃに乗れるようになった人はおそらくいないだろう。
相場も同じ。こうすれば勝てるという理論は色々あるが、その理論を学んだからと言ってその通りにできるわけではない。
子供の頃に、何度もコケて小さいケガをしながら自転車に乗れるようになったのと同じで、相場でも何度も失敗して勝てるようになる。
ただし、一度の失敗ですべての資金を失ってしまわないような工夫は必要だ。小さな失敗を何度もしながら相場を続けられるというのが理想だ。そのうち失敗は減ってくる。
工夫とは、例えば、レバレッジをかけるのならロスカットルールを徹底すること。具体的には、投資金額の5%を失った時点で一旦ポジションはすべて手仕舞うようにしておけば、大損はしない。
人間は神様ではないのだから未来を知ることはできない。予想は外れるものだという前提で予想くらいでちょうど良い。予想が外れても相場に居続けることができるような戦略を考えることが必要だ。