夜勤のときに読もうかと
教祖電の第三章より。 六十の坂を越えられた教祖は、更に酷しさを加える難儀不自由の中を、おたすけの暇々には、仕立物や糸紡ぎをして、徹夜なさる事も度々あった。月の明るい夜は、 「お月様が、こんなに明るくお照らし下されて居る。」 と、月の光を頼りに、親子三人で糸を紡がれた。秀司もこかんも手伝うて、一日に五百匁も紡がれ、 「このように沢山出来ましたかや。」 と仰せられる日もあった。普通、一人一日で四十匁、夜業かけて百匁と言われて居たのに比べると、凡そ倍にも近いお働き振りであった。 すべきことをしながら夜勤で生計を立てると眠れなくて泣きそうになることもあるが、これもひながたにある。